突然ですが、お知らせです。こちらのブログの続編ブログ、新なつかしマンガを開設しました。アドレスはこちらです→http://pastpastime.cocolog-nifty.com/blog/
内容は今までと変わらず、なつかしいマンガを中心に紹介していく予定です。
これからもどうぞよろしくお願いします。
2011年07月26日
2011年01月12日
アニメ版ベルサイユのばら 第一話 オスカル!バラの運命
ブログ更新、久しぶりになります。そして今回のテーマは、何十年という時を隔てて、久しぶりにみたアニメ版ベルサイユのばらの第一話です。無料配信という文字につられるようにしてみたしだいです。何年か前、終わりの数話をみたのですが、第一話は正真正銘、何十年ぶりです。
第一話はオスカル誕生から14才までの物語。まさに反抗期なのでしょう、父親の命令にとことん逆らうオスカルです。近衛隊長になれと父親から言われても、言うことをききません。一応、隊長に任命されるには、王の前でジェローデルと剣の試合をして勝たなくてはならないという段取りがあります。これにも同意したくないオスカルですが、森の中でジェローデルととりあえず決闘はします。それから、アンドレと殴り合いのけんかまで。原作では描かれていないオスカルの多感な一面、悩める姿が描かれているのがこの第一話です。
しかし、あまりにもマンガの原作とは違う物語展開に少しとまどいを感じずにはいられません。けれども、マンガでは触れられなかったエピソ−ドを盛り込んだ新しい物語ととらえればよいのでしょう。バックグラウンドミュージックの効果的な挿入が気分を盛り上げてくれます。
第一話はオスカル誕生から14才までの物語。まさに反抗期なのでしょう、父親の命令にとことん逆らうオスカルです。近衛隊長になれと父親から言われても、言うことをききません。一応、隊長に任命されるには、王の前でジェローデルと剣の試合をして勝たなくてはならないという段取りがあります。これにも同意したくないオスカルですが、森の中でジェローデルととりあえず決闘はします。それから、アンドレと殴り合いのけんかまで。原作では描かれていないオスカルの多感な一面、悩める姿が描かれているのがこの第一話です。
しかし、あまりにもマンガの原作とは違う物語展開に少しとまどいを感じずにはいられません。けれども、マンガでは触れられなかったエピソ−ドを盛り込んだ新しい物語ととらえればよいのでしょう。バックグラウンドミュージックの効果的な挿入が気分を盛り上げてくれます。
タグ:池田理代子原作
2010年01月29日
オルフェウスの窓(第4部)
池田理代子の超大作、オルフェウスの窓の最終章にあたる第4部です。舞台は、レーゲンスブルクに戻り、第1部の終わりで明かされたアーレンスマイヤ家の秘密、第2部の終わりでレーゲンスブルクへ帰郷したイザークのその後、第3部の終わりで同じくレーゲンスブルクへ帰郷したユリウスのその後、それら全てが総まとめされます。主要登場人物毎に、以下まとめてみました。
ユリウス・・・相変わらず記憶喪失のままで、魂は抜けがらのようになっている。時々、オルフェウスの窓を眺めては、クラウス(アレクセイ)の姿を追い求める。
イザーク・・・一人息子のユーぺルを養育しながら、かつてピアノを弾いていた酒場で下働きの仕事をしている。
ユーぺル(イザークの息子)・・・幼いながら、ピアノの才能を開花させつつある。
アリア・バルバラ(ユリウスの異母姉)・・・アーレンスマイヤ家のビジネスを女手一人で切り盛りし、ユリウスを気遣う。
ダーヴィト・・・ユリウスの力になろうと協力。マリア・バルバラに想いを寄せ始める。
激動のロシアで10年以上の時を過ごしたユリウスが、ひょっこりレーゲンスブルクに帰郷して6年・・・ユリウスが徐々に、自分の過去を思い出していくとともに、悲劇の影が再び忍び寄ってきます。はたして思い出さないほうがよかったのかと、ラストは衝撃的で、同時にあっけなくもあります。本作品に登場した様々なキャラクターのこの後の人生に、想像をめぐらしてみるのいいでしょう。
ユリウス・・・相変わらず記憶喪失のままで、魂は抜けがらのようになっている。時々、オルフェウスの窓を眺めては、クラウス(アレクセイ)の姿を追い求める。
イザーク・・・一人息子のユーぺルを養育しながら、かつてピアノを弾いていた酒場で下働きの仕事をしている。
ユーぺル(イザークの息子)・・・幼いながら、ピアノの才能を開花させつつある。
アリア・バルバラ(ユリウスの異母姉)・・・アーレンスマイヤ家のビジネスを女手一人で切り盛りし、ユリウスを気遣う。
ダーヴィト・・・ユリウスの力になろうと協力。マリア・バルバラに想いを寄せ始める。
激動のロシアで10年以上の時を過ごしたユリウスが、ひょっこりレーゲンスブルクに帰郷して6年・・・ユリウスが徐々に、自分の過去を思い出していくとともに、悲劇の影が再び忍び寄ってきます。はたして思い出さないほうがよかったのかと、ラストは衝撃的で、同時にあっけなくもあります。本作品に登場した様々なキャラクターのこの後の人生に、想像をめぐらしてみるのいいでしょう。
2010年01月07日
オルフェウスの窓(第3部)
先日からご紹介している、池田理代子の超大作、オルフェウスの窓の第3部です。第1部で、ロシアへ突然帰国してしまったクラウス(本名アレクセイなので以下、アレクセイと記述)と、第1部の最後で彼を追ってロシアへ旅立ったユリウスのその後の物語が、第3部では綴られています。まさに、この物語全体でのヤマ場というべきこの第3部では、アレクセイがドイツのレーゲンスブルクへやってくるまでのいきさつと、ロシアでの生い立ちも語られています。この第3部と、イザークの成長物語である第2部は、ちゃんと時間的に同時進行していて、双方の物語が重なるというか絡む部分があります。違う視点から同じ事柄が描写されている、または説明されている、といった箇所があるのもこの作品の面白さでしょう。ストーリーは、ユリウスが汽車でロシアに到着した場面からご紹介しましょう。
物語の舞台は1905年のサンクト・ペテルスブルク。ユリウスはアレクセイとの再会を夢みつつ駅に降り立つ。と言っても、彼がどこにいるかなどは全く知らず。しかし、なんとそこに、当地で地下革命活動をしているアレクセイが極秘の任務を果たすために来ていた。けれども、二人はすれ違いながらも、たまたまそこにいた荷物運搬人に邪魔され、お互いの存在に気付かない(第1回目のニアミスまたは再会)。
町を散策していたユリウスはちょっとした暴動に巻き込まれかけ、偶然アレクセイの姿を見かける。しかし、馬車から降りたとたんに流れ弾に当たり、意識を失う。気がついた時は、皇帝側の武官であるユスーポフ候の屋敷に運ばれていた。ユリウスはスパイ容疑をかけられ、アレクセイの名を口にしたことが、自分の身もアレクセイの身も危険なものにしてしまう(アレクセイがロシアに帰国していることが皇帝側に知られてしまう)。ユリウスは囚われの身となる。
逃亡を試みるユリウスだが、アレクセイとの再会の機会を探るべく、そのままユスーポフ家に留まることにする。しかし、ユリウスは、ユスーポフ候を陥れようとするラスプーチンにより宮廷へ連れ去られ、監禁されてしまう。そこで、ユリウスがアーレンスマイヤ家の子息であることが判明し(皇帝はとある極秘の恩をアーレンスマイヤ家に対して抱いている)、ユリウスは釈放される。しかし、帰路の途中でまたまた暴動に巻き込まれてしまう。
そして・・・なんとユリウスは、追われているアレクセイと偶然の再会を果たす。しかし喜びも束の間、アレクセイは追っ手から逃れるために、ユリウスを取り残して行ってしまう。絶望と混乱から、窓から落ちたユリウスは、記憶喪失になってしまう(第2回目のニアミスまたは再会)。
モスクワでの戦闘の後、アレクセイは捕まりシベリアへ流刑される。アレクセイが広場で刑を言い渡される様子を、馬車の中のユリウスは見ているが、アレクセイのことは思い出せずに終わる(第3回目のニアミスまたは再会)・・・。
アレクセイはシベリアへ、ユリウスは記憶喪失、と絶体絶命の展開でありますが、二人にとって第4回目となるニアミスまたは再会が待っています。快調に読み進めた第2部とは違い、第3部では読むスピードが落ちました。それも、終わりに近づけば近づくほどです。あまり多くは語りませんが、オルフェウスの窓の伝説を思い出してみて下さい。忘れた方は、当ブログのオルフェウスの窓の第1部編で復習してみて下さい。
物語の舞台は1905年のサンクト・ペテルスブルク。ユリウスはアレクセイとの再会を夢みつつ駅に降り立つ。と言っても、彼がどこにいるかなどは全く知らず。しかし、なんとそこに、当地で地下革命活動をしているアレクセイが極秘の任務を果たすために来ていた。けれども、二人はすれ違いながらも、たまたまそこにいた荷物運搬人に邪魔され、お互いの存在に気付かない(第1回目のニアミスまたは再会)。
町を散策していたユリウスはちょっとした暴動に巻き込まれかけ、偶然アレクセイの姿を見かける。しかし、馬車から降りたとたんに流れ弾に当たり、意識を失う。気がついた時は、皇帝側の武官であるユスーポフ候の屋敷に運ばれていた。ユリウスはスパイ容疑をかけられ、アレクセイの名を口にしたことが、自分の身もアレクセイの身も危険なものにしてしまう(アレクセイがロシアに帰国していることが皇帝側に知られてしまう)。ユリウスは囚われの身となる。
逃亡を試みるユリウスだが、アレクセイとの再会の機会を探るべく、そのままユスーポフ家に留まることにする。しかし、ユリウスは、ユスーポフ候を陥れようとするラスプーチンにより宮廷へ連れ去られ、監禁されてしまう。そこで、ユリウスがアーレンスマイヤ家の子息であることが判明し(皇帝はとある極秘の恩をアーレンスマイヤ家に対して抱いている)、ユリウスは釈放される。しかし、帰路の途中でまたまた暴動に巻き込まれてしまう。
そして・・・なんとユリウスは、追われているアレクセイと偶然の再会を果たす。しかし喜びも束の間、アレクセイは追っ手から逃れるために、ユリウスを取り残して行ってしまう。絶望と混乱から、窓から落ちたユリウスは、記憶喪失になってしまう(第2回目のニアミスまたは再会)。
モスクワでの戦闘の後、アレクセイは捕まりシベリアへ流刑される。アレクセイが広場で刑を言い渡される様子を、馬車の中のユリウスは見ているが、アレクセイのことは思い出せずに終わる(第3回目のニアミスまたは再会)・・・。
アレクセイはシベリアへ、ユリウスは記憶喪失、と絶体絶命の展開でありますが、二人にとって第4回目となるニアミスまたは再会が待っています。快調に読み進めた第2部とは違い、第3部では読むスピードが落ちました。それも、終わりに近づけば近づくほどです。あまり多くは語りませんが、オルフェウスの窓の伝説を思い出してみて下さい。忘れた方は、当ブログのオルフェウスの窓の第1部編で復習してみて下さい。
2009年12月12日
オルフェウスの窓(第2部)
先日ご紹介した、池田理代子の超大作、オルフェウスの窓(第1部)の続きです。第1部は、ユリウスの実家であるアーレンスマイヤ家の遺産をめぐる家族内の対立(ユリウスの母はお妾さんで、正妻の死後、後妻としてアーレンスマイヤ家に入る。異母姉達は後からやってきた「男の子の」ユリウスをよく思っていない)や、ユリウスは何者かに命を狙われている、といったストーリーも展開していて、男子校学園もの+サスペンス+推理小説の要素がつまった作品になっていました。こんなに盛りだくさんな内容に、時に、ページを戻って読み返すこともありますが、第2部のほうは、貧しいながらも素晴らしいピアノの才能を持ったイザークの成長物語となっていて、さらりと読み進めます。以下、ストーリーです。
物語の舞台はウィーンへ。ウィーン音楽院への留学を果たしたイザークは、ピアノの腕を上げるために猛勉強中。そこに、自分のピアの教授の娘、アマーリエが登場。女の子らしく、華やかな印象のアマーリエは、イザークに対してとても積極的で、イザークはとまどいを感じながらも、結局は恋に落ちてしまう。
けれども、イザークはプロデビューを目指して修行中の身。遊び好きのアマーリエは、生真面目な性格のイザークとのつきあいを退屈に感じる。
イザークは、アマーリエのわがままな態度に振り回されつつも、意を決し、結婚の話をするため、教授宅を訪れる。しかし、そこで知ったのは・・・アマーリエにはすでに婚約者がいて、二人は旅行に旅立ったということ。どん底につき落とされるイザーク。
けれども、バックハウスの奏でるピアノの音に感動し、再起をはかる。そして、ついにプロピアニストとして華々しくデビューし、成功をつかむ。
・・・が、非常に(私からみて)意外な人物と、友人のダーヴィトの反対にあいながらも突然結婚。間もなく結婚生活に不協和音が響くようになる。そして、長年ピアノのハンマーを重くしてトレーニングを積んできたせいで、大変な悲劇に襲われる・・・。
このイザークの挫折→成功→挫折のメイン・ストーリーの他にも、様々なエピソードが展開しています。カタリーナはイザークを追いかけてウィーンにやってきて、両親に内緒で看護婦になるための勉強をする。聖セバスチアン音楽学校でイザークのピアノのライバルだったモーリッツとマルヴィーダの悲恋、などなど。ちなみに、イザークはユリウスのことを忘れるのに一年苦しんだそうです。でも、生真面目でお人よしな性格がたたってか、女性運にはあまり恵まれていない感じがします。「結婚は慈善事業とはちがうのです」とカタリーナに言ったのはイザーク本人だったのになー。
物語の舞台はウィーンへ。ウィーン音楽院への留学を果たしたイザークは、ピアノの腕を上げるために猛勉強中。そこに、自分のピアの教授の娘、アマーリエが登場。女の子らしく、華やかな印象のアマーリエは、イザークに対してとても積極的で、イザークはとまどいを感じながらも、結局は恋に落ちてしまう。
けれども、イザークはプロデビューを目指して修行中の身。遊び好きのアマーリエは、生真面目な性格のイザークとのつきあいを退屈に感じる。
イザークは、アマーリエのわがままな態度に振り回されつつも、意を決し、結婚の話をするため、教授宅を訪れる。しかし、そこで知ったのは・・・アマーリエにはすでに婚約者がいて、二人は旅行に旅立ったということ。どん底につき落とされるイザーク。
けれども、バックハウスの奏でるピアノの音に感動し、再起をはかる。そして、ついにプロピアニストとして華々しくデビューし、成功をつかむ。
・・・が、非常に(私からみて)意外な人物と、友人のダーヴィトの反対にあいながらも突然結婚。間もなく結婚生活に不協和音が響くようになる。そして、長年ピアノのハンマーを重くしてトレーニングを積んできたせいで、大変な悲劇に襲われる・・・。
このイザークの挫折→成功→挫折のメイン・ストーリーの他にも、様々なエピソードが展開しています。カタリーナはイザークを追いかけてウィーンにやってきて、両親に内緒で看護婦になるための勉強をする。聖セバスチアン音楽学校でイザークのピアノのライバルだったモーリッツとマルヴィーダの悲恋、などなど。ちなみに、イザークはユリウスのことを忘れるのに一年苦しんだそうです。でも、生真面目でお人よしな性格がたたってか、女性運にはあまり恵まれていない感じがします。「結婚は慈善事業とはちがうのです」とカタリーナに言ったのはイザーク本人だったのになー。
2009年12月08日
オルフェウスの窓(第1部)
池田理代子の超大作です。最近、ずっと読んでみたいと思っていました。思い起こすと、小学生の頃、近所の書店でほんの少し立ち読みをしたことがあります。「なんか、学校の窓のお話?」というのがその時の感想で、それ以来、それ以上読むということもなく、漫画の存在自体を忘れ去っていたほどでした。しかし、最近になり、ベルばらKids(当ブログをご参照下さい)でオルフェウスの窓について触れられている箇所があり、興味が復活。そして、先日、池田先生自ら出演のNHK−BSの番組で、オルフェウスの窓でロシア革命が描かれていることを知り、「なんだ、そんな壮大な物語だったんだ」という驚きとともに、さっそく全巻入手。すっかりこの物語に魅了されてしまいました。4部構成の長い物語なので、メイン・キャラクターの三人を中心に、一部づつ、ストーリーを紹介します。
第1部
物語の舞台は20世紀初頭のドイツの古都レーゲンスブルク。男子校の聖セバスチアン音楽学校にイザークというピアノ少年が転入してくる。その学校の塔には、オルフェウスの窓とよばれる窓があり、その窓にはある悲しい伝説があった。それは、男性はその窓から最初に見た女性と必ず恋に落ちるが、悲恋に終わるというもの。その伝説をきいたイザークは、好奇心から塔に登り、窓の外を見る。すると、目に入ってきたのは、一瞬女性かと思わせる美しい少年の姿。その少年は、ユリウスという転入してきたばかりの男子生徒だった。
しかし、ユリウスには秘密があった。本当は女の子であるが、父親の遺産をユリウスに譲らせたいと企む母に、男の子として育てあげられたのだった。この事実は、母親が違うユリウスの姉達でさえ気づいていない。
後日、イザークはユリウスにオルフェウスの窓の伝説のことを話して聞かせる。「イザークと自分が恋人に?」と半信半疑のユリウスが、塔の下に迷い出て、オルフェウスの窓を見上げると、そこに上級生でみんなの信望も厚いクラウスがいた。そこで、言葉を交わす二人。そして、「もしかして、クラウスも自分の運命の相手??」と衝撃を受けるユリウス。なんと、クラウスは、ユリウスが初対面の時、けんかの騒ぎまで起こした相手だった。実は、このクラウス、ユリウス同様、大変な秘密があった。本名はアレクセイというロシア人で、ロシア革命家の弟であり、ドイツに潜伏中なのであった。
ユリウスは、最初は自分で気付いてないが、次第にクラウスへ熱烈な想いを寄せるようになる。一方の、クラウスも、やがてユリウスが女の子であることに気付き、ユリウスへ特別の感情を抱くようになる。そして、イザークもユリウスが女の子であることをクラウスから教えられ、ユリウスへの熱い想い募らせていく。
しかし・・・別れは突然に。クラウスがロシアへの帰郷を早まらせなくてはならない事態が起こり、学校を辞める。ユリウスはクラウスを必死に追い、自分も一緒に連れて行ってくれるよう頼むのだが・・・。
女の子に戻りたいと思いつつも、そうできない状況に陥ってしまうユリウス(ある事件が起こります)が、非常にかわいそうです。自分の身近な人々(家族などを除く)には、女の子であることがばれてしまうのに、ばれてることに気付かないユリウスはちょっと不思議な感じがします。でもきっと必死に男の子を演じ、周りが見えていないほどのぎりぎりの精神状態だったのでしょう。メイン・キャラクターの三人以外にも、大勢の魅力的なキャラクターが出てきます。第一部で一番印象に残ったのは、イザークのバイト先のピアノの生徒のカタリーナです。イザークの妹のフリデリーケも好印象・好人物ですね。
文庫版で全9巻 写真は第1巻

第1部
物語の舞台は20世紀初頭のドイツの古都レーゲンスブルク。男子校の聖セバスチアン音楽学校にイザークというピアノ少年が転入してくる。その学校の塔には、オルフェウスの窓とよばれる窓があり、その窓にはある悲しい伝説があった。それは、男性はその窓から最初に見た女性と必ず恋に落ちるが、悲恋に終わるというもの。その伝説をきいたイザークは、好奇心から塔に登り、窓の外を見る。すると、目に入ってきたのは、一瞬女性かと思わせる美しい少年の姿。その少年は、ユリウスという転入してきたばかりの男子生徒だった。
しかし、ユリウスには秘密があった。本当は女の子であるが、父親の遺産をユリウスに譲らせたいと企む母に、男の子として育てあげられたのだった。この事実は、母親が違うユリウスの姉達でさえ気づいていない。
後日、イザークはユリウスにオルフェウスの窓の伝説のことを話して聞かせる。「イザークと自分が恋人に?」と半信半疑のユリウスが、塔の下に迷い出て、オルフェウスの窓を見上げると、そこに上級生でみんなの信望も厚いクラウスがいた。そこで、言葉を交わす二人。そして、「もしかして、クラウスも自分の運命の相手??」と衝撃を受けるユリウス。なんと、クラウスは、ユリウスが初対面の時、けんかの騒ぎまで起こした相手だった。実は、このクラウス、ユリウス同様、大変な秘密があった。本名はアレクセイというロシア人で、ロシア革命家の弟であり、ドイツに潜伏中なのであった。
ユリウスは、最初は自分で気付いてないが、次第にクラウスへ熱烈な想いを寄せるようになる。一方の、クラウスも、やがてユリウスが女の子であることに気付き、ユリウスへ特別の感情を抱くようになる。そして、イザークもユリウスが女の子であることをクラウスから教えられ、ユリウスへの熱い想い募らせていく。
しかし・・・別れは突然に。クラウスがロシアへの帰郷を早まらせなくてはならない事態が起こり、学校を辞める。ユリウスはクラウスを必死に追い、自分も一緒に連れて行ってくれるよう頼むのだが・・・。
女の子に戻りたいと思いつつも、そうできない状況に陥ってしまうユリウス(ある事件が起こります)が、非常にかわいそうです。自分の身近な人々(家族などを除く)には、女の子であることがばれてしまうのに、ばれてることに気付かないユリウスはちょっと不思議な感じがします。でもきっと必死に男の子を演じ、周りが見えていないほどのぎりぎりの精神状態だったのでしょう。メイン・キャラクターの三人以外にも、大勢の魅力的なキャラクターが出てきます。第一部で一番印象に残ったのは、イザークのバイト先のピアノの生徒のカタリーナです。イザークの妹のフリデリーケも好印象・好人物ですね。
文庫版で全9巻 写真は第1巻
2009年09月24日
天の涯まで ポーランド秘史
池田理代子のこの作品を、以前からずっと読んでみたいと思っていました。この度、図書館から借りてきて、ようやく読むことができたしだいです。以前、このブログで紹介した同作者の栄光のナポレオン エロイカの番外編ともいえるでしょう。栄光のナポレオンを読んでいた時、池田理代子の深い歴史知識と理解に驚きました。栄光のナポレオンでも触れられていたポーランドの歴史に焦点をあてたのが、天の涯までです。
物語の冒頭、凍てつく平原を馬車でペテルブルクからワルシャワへと急ぐ、小さな赤ん坊を抱く女性が登場。命からがらようやくたどり着いた先は、時のポーランド国王スタニスワフの弟のアンジェイ公の館。しかし、ナターリアと呼ばれるこの女性は、「夫からにげてきた」とアンジェイに二人の息子である赤ん坊のユーゼフを見せると息絶えてしまう。
この物語の主人公は、この小さな赤ん坊のユーゼフ(男の子)。アンジェイは、丁度、テレザと呼ばれる美しいオーストリア女性と結婚したばかりだった。テレザはこのユーゼフを実の息子と表向きは可愛がりながらも、影では冷たくあしらう。テレザは自分の息子のフェリックスを溺愛するが、ユーゼフのことは憎んでいた。自分の出生の秘密を知らされていないユーゼフは、館の中で孤独を感じながら成長していく。唯一の頼りは、乳母のヨアンナとロシア語教師のミハイロフ先生だった(もちろん、父親のアンジェイもだが)。
当時のポーランド王位と領土は、プロイセン、オーストリア、フランス、ロシアなどの大国の政治的野心の的となっており、国王スタニスワフはロシア女帝エカテリーナ2世に推挙されて王位についていた。そんな中、国王の弟のアンジェイは、ポーランドの真の独立を願い国政改革にのりだそうとするが、志半ばで病に倒れ亡くなってしまう。アンジェイの遺言により、ユーゼフは軍人教育を受けることになり、国王スタニスワフが独身であるので、ユーゼフは内々に王位後継者にもなる。当然、ユーゼフが王位後継者に指名されたことを、母のテレザはおもしろく思わない。なんとか、自分の息子のフェリックスを王位後継者にしようと密かにたくらむ。
父親の死後、国王スタニスワフがユーゼフの教育の後見人となる。だが、ユーゼフは利発で何でもそつなくこなす割に、母親から冷遇されているからか、反抗的な態度を取る。けれども、父親の愛人だったヴォーバン夫人と出会い、ようやく自分の出生の秘密を知ることになるのだった・・・。
18世紀から19世紀にかけてのポーランドの歴史を調べてみると、この作品の主人公のユーゼフ・ポニャトフスキが、今後、ポーランドでどのような役割を担うようになるのかがわかります。この作品の最後に、どのエピソードがフィクションであるかの説明があります。自由に物語を創作できるのが、漫画のおもしろさですね。

物語の冒頭、凍てつく平原を馬車でペテルブルクからワルシャワへと急ぐ、小さな赤ん坊を抱く女性が登場。命からがらようやくたどり着いた先は、時のポーランド国王スタニスワフの弟のアンジェイ公の館。しかし、ナターリアと呼ばれるこの女性は、「夫からにげてきた」とアンジェイに二人の息子である赤ん坊のユーゼフを見せると息絶えてしまう。
この物語の主人公は、この小さな赤ん坊のユーゼフ(男の子)。アンジェイは、丁度、テレザと呼ばれる美しいオーストリア女性と結婚したばかりだった。テレザはこのユーゼフを実の息子と表向きは可愛がりながらも、影では冷たくあしらう。テレザは自分の息子のフェリックスを溺愛するが、ユーゼフのことは憎んでいた。自分の出生の秘密を知らされていないユーゼフは、館の中で孤独を感じながら成長していく。唯一の頼りは、乳母のヨアンナとロシア語教師のミハイロフ先生だった(もちろん、父親のアンジェイもだが)。
当時のポーランド王位と領土は、プロイセン、オーストリア、フランス、ロシアなどの大国の政治的野心の的となっており、国王スタニスワフはロシア女帝エカテリーナ2世に推挙されて王位についていた。そんな中、国王の弟のアンジェイは、ポーランドの真の独立を願い国政改革にのりだそうとするが、志半ばで病に倒れ亡くなってしまう。アンジェイの遺言により、ユーゼフは軍人教育を受けることになり、国王スタニスワフが独身であるので、ユーゼフは内々に王位後継者にもなる。当然、ユーゼフが王位後継者に指名されたことを、母のテレザはおもしろく思わない。なんとか、自分の息子のフェリックスを王位後継者にしようと密かにたくらむ。
父親の死後、国王スタニスワフがユーゼフの教育の後見人となる。だが、ユーゼフは利発で何でもそつなくこなす割に、母親から冷遇されているからか、反抗的な態度を取る。けれども、父親の愛人だったヴォーバン夫人と出会い、ようやく自分の出生の秘密を知ることになるのだった・・・。
18世紀から19世紀にかけてのポーランドの歴史を調べてみると、この作品の主人公のユーゼフ・ポニャトフスキが、今後、ポーランドでどのような役割を担うようになるのかがわかります。この作品の最後に、どのエピソードがフィクションであるかの説明があります。自由に物語を創作できるのが、漫画のおもしろさですね。
2009年08月26日
馬屋古女王(うまやこのひめみこ)
先日、奈良へ観光に行ってきました。飛鳥地方の古墳を見るのが目的で、高松塚壁画館に行って思い出したのが、山岸凉子のこの作品です。高松塚壁画館で見学した人物群像や龍などの幻想的な壁画(模写)が、日出処の天子(ひいづるところのてんし)の続編と言えるこの作品の、始めのほうのお墓の中でのシーンを思い起こさせたのです。もちろん、作品中でも高松塚のようなすばらしい壁画が描かれています。以下、ストーリーです。
日出処の天子の主人公である厩戸王子(うまやどのおうじ)の死後、これから葬儀が行われるという時、生後すぐに幽閉されていた厩戸王子の末娘である馬屋古女王(うまやこのひめみこ)が、王子の長男である山背大兄王子(やましろのおおえのおうじ)によってこっそりと連れ出される。目的は、亡き父の葬儀に参列させるためである。それまで誰も姿を見たことのない馬屋古女王は目も耳も不自由で言葉を話さず、足腰も不自由と言われていた。
厩戸王子の棺が御陵のお墓に安置された後、不思議な事件が起こる。山背大兄王子の子供の難波(なにわ)と弓削(ゆげ)が真夜中に行方不明になるのだ。すると不思議なことに、御陵のお墓の中から子供の泣き声がきこえてきた。葬儀の責任者を務める蘇我入鹿(そがのいるか)は、周りの者が止めるのもきかずにお墓の中へ入って行く(ここが、壁画のシーン)。
蘇我入鹿がお墓の中で見たものは!行方不明になった子供達と、なんと柩の上に座る厩戸王子そっくりな人物だった(ここも壁画のシーン)。蘇我入鹿は、厩戸王子が生き返ったのではないかと驚くが、よく見るとその人物は女性で、まだとても若い。騒ぎをききつけた山背大兄王子がそこに駆けつけると、その人物こそが馬屋古女王であることが判明する。
馬屋古女王の容貌は亡き厩戸王子にそっくりで、誰一人としてその美しい容貌を受け継ぐことができなかった王子の子供達は羨みもし惹かれてもいく。しかし、体が不自由ということだが、お墓の中で跳躍するのを蘇我入鹿は見た。そして、話すこともできないはずが、「(柩の)中は空」という不思議な言葉も蘇我入鹿はきいた。次第に、蘇我入鹿は馬屋古女王に対する疑念を募らせていく。さらに、馬屋古女王の美しさに魅了された男達が馬屋古女王を巡り対立を始め、一族に不協和音が響き始める・・・。
ストーリーの紹介はここまでにしておきます。日本史で一般的に語られる厩戸王子一族の終焉とは違う、山岸凉子独自のストーリー展開は、実
際に起こった出来事と思える程リアルで、本当に想像力と創造力の豊かな方だなあと思います!「(柩の)中は空」という馬屋古女王の言葉は読み終わった後も、どういうことなのだろうと考えさせられてしまいます。
角川書店から発売された山岸凉子全集9には、この作品の他に、神かくしと、神入山が収録されています。
日出処の天子の主人公である厩戸王子(うまやどのおうじ)の死後、これから葬儀が行われるという時、生後すぐに幽閉されていた厩戸王子の末娘である馬屋古女王(うまやこのひめみこ)が、王子の長男である山背大兄王子(やましろのおおえのおうじ)によってこっそりと連れ出される。目的は、亡き父の葬儀に参列させるためである。それまで誰も姿を見たことのない馬屋古女王は目も耳も不自由で言葉を話さず、足腰も不自由と言われていた。
厩戸王子の棺が御陵のお墓に安置された後、不思議な事件が起こる。山背大兄王子の子供の難波(なにわ)と弓削(ゆげ)が真夜中に行方不明になるのだ。すると不思議なことに、御陵のお墓の中から子供の泣き声がきこえてきた。葬儀の責任者を務める蘇我入鹿(そがのいるか)は、周りの者が止めるのもきかずにお墓の中へ入って行く(ここが、壁画のシーン)。
蘇我入鹿がお墓の中で見たものは!行方不明になった子供達と、なんと柩の上に座る厩戸王子そっくりな人物だった(ここも壁画のシーン)。蘇我入鹿は、厩戸王子が生き返ったのではないかと驚くが、よく見るとその人物は女性で、まだとても若い。騒ぎをききつけた山背大兄王子がそこに駆けつけると、その人物こそが馬屋古女王であることが判明する。
馬屋古女王の容貌は亡き厩戸王子にそっくりで、誰一人としてその美しい容貌を受け継ぐことができなかった王子の子供達は羨みもし惹かれてもいく。しかし、体が不自由ということだが、お墓の中で跳躍するのを蘇我入鹿は見た。そして、話すこともできないはずが、「(柩の)中は空」という不思議な言葉も蘇我入鹿はきいた。次第に、蘇我入鹿は馬屋古女王に対する疑念を募らせていく。さらに、馬屋古女王の美しさに魅了された男達が馬屋古女王を巡り対立を始め、一族に不協和音が響き始める・・・。
ストーリーの紹介はここまでにしておきます。日本史で一般的に語られる厩戸王子一族の終焉とは違う、山岸凉子独自のストーリー展開は、実
際に起こった出来事と思える程リアルで、本当に想像力と創造力の豊かな方だなあと思います!「(柩の)中は空」という馬屋古女王の言葉は読み終わった後も、どういうことなのだろうと考えさせられてしまいます。
角川書店から発売された山岸凉子全集9には、この作品の他に、神かくしと、神入山が収録されています。
2009年06月23日
ベルばらKids 4
久し振りに新しいマンガを読みました。池田理代子のこの作品は、もう大分前に発売されていて、ずっと気になっていたのですが、なかなか読むチャンスがありませんでした。登場人物はオスカルをはじめとする、おなじみのキャラクター達ですが、本作には、新しいキャラも登場しています。池田理代子の別の作品、『オルフェウスの窓』から、ユリウス、クラウス、イザークが登場。実は、この作品はまだ読んだことがないので、とても興味深いです。いつか機会をつくって、ぜひとも読んでみるつもりです。
さて、『ベルばらKids 4』のほうですが・・・
オスカル・・・フェルゼンにまたドレスを着てくれと頼まれ、女装は二度としないと怒る。
アンドレ・・・オスカルからルソーの本を借りるが、読破するのではなく(難しくて)眠気を誘うものとして使う。
ジェローデル・・・相変わらずペットのねこに夢中。相手の気持ちになるため、ねこ型の耳を頭につける。
マリー・アントワネット・・・メルシー伯にとめられながらも、お姫様ファッションが流行中の渋谷へお出かけ。瞬く間に、人気者に。
ルイ16世・・・あいかわらず日本の相撲に入れこんでいる。行方不明になり、メルシー伯以下捜索中、ふと相撲中継をしているテレビを見ると、土俵際に相撲観戦中のルイ16世の姿が。
つい最近、フランスのテレビ局が制作したマリー・アントワネットのドキュメンタリードラマを見ました。本物のヴェルサイユ宮殿がロケ地に使われていて、とてもおもしろかったです。その番組で知った新エピソードは、ルイ16世は宮殿内を窮屈に感じ、屋根の上を歩いていたというもの。『ベルばらKids 4』作品中のように、本当に行方不明になり、捜索したら屋根の上にいたなんてことがあったかもしれませんね。

さて、『ベルばらKids 4』のほうですが・・・
オスカル・・・フェルゼンにまたドレスを着てくれと頼まれ、女装は二度としないと怒る。
アンドレ・・・オスカルからルソーの本を借りるが、読破するのではなく(難しくて)眠気を誘うものとして使う。
ジェローデル・・・相変わらずペットのねこに夢中。相手の気持ちになるため、ねこ型の耳を頭につける。
マリー・アントワネット・・・メルシー伯にとめられながらも、お姫様ファッションが流行中の渋谷へお出かけ。瞬く間に、人気者に。
ルイ16世・・・あいかわらず日本の相撲に入れこんでいる。行方不明になり、メルシー伯以下捜索中、ふと相撲中継をしているテレビを見ると、土俵際に相撲観戦中のルイ16世の姿が。
つい最近、フランスのテレビ局が制作したマリー・アントワネットのドキュメンタリードラマを見ました。本物のヴェルサイユ宮殿がロケ地に使われていて、とてもおもしろかったです。その番組で知った新エピソードは、ルイ16世は宮殿内を窮屈に感じ、屋根の上を歩いていたというもの。『ベルばらKids 4』作品中のように、本当に行方不明になり、捜索したら屋根の上にいたなんてことがあったかもしれませんね。
2009年02月11日
あさきゆめみし
大和和紀のこの作品は、もうご説明は不要かと思われますが、紫式部原作の源氏物語の漫画化作品です。去年から、源氏物語がさかんにメディアで取り上げられ、今も深夜にアニメ作品がテレビで放送されています。必然的に、高校生の時、古典の試験対策として、友人からあさきゆめみしを借りて読んだのを思い出し、またむしょうに読みたくなってしまいました。TSUTAYAで借りてきたのは文庫本にして全7巻、宇治十帖まで含まれます。非常に読み応えのある作品に、自分のなつかしマンガ・コレクションに加えておくべきだったと思いました。
今回、作品を最初から最後まで一気に読みとおしてみて、作品に対して新たな発見をすることができました。源氏物語というと、平安時代のプレイボーイ、光源氏の華々しい恋愛もの、というイメージがありましたが、実はそうではなく、人の道をふみはずすと、必ず罰が下るというよ
うな、モラル・ストーリーであったのに気付きました。そして、その罰に苦しむ人々の悲しみや嘆きに同情せずにはいられず、罰そのものの意味や意義もこの作品は問うているのではと感じました。
長いストーリーの中、個人的に印象に残ったのは、光源氏と藤壺の宮(女)のエピソード、女三の宮(女)と柏木(男)のエピソード、そして、宇治十帖での、薫(男)と匂の宮(におうのみや)(男)と浮舟(うきふね)(女)の三角関係エピソードです。あと、夕霧(ゆうぎり)(男)と雲井の雁(くもいのかり)(女)のエピソードもよかったです。
宇治十帖は今回初めて読む物語だったので、とても新鮮でした。ですので、ほんの少しストーリーを紹介しましょう。時代は光源氏亡き後、光源氏の息子の薫と、光源氏の孫の匂の宮(におうのみや)が貴公子としてもてはやされている平安の世。この二人の年齢は近く、幼い頃から慣れ親しんでいたが、二人の性格は対照的で、薫は冷静で落ち着きがあり思慮深く、匂の宮は明るく積極的で情熱的。この二人に同時に愛されてしまうのが、どこか頼りない感じのする浮舟。やっかいなのが、浮舟は二人の魅力の違いをわかったうえで、同時に二人に惹かれていってしまう・・・。よくある三角関係のパターンですが、結末は伏せておきますね。
今回、作品を最初から最後まで一気に読みとおしてみて、作品に対して新たな発見をすることができました。源氏物語というと、平安時代のプレイボーイ、光源氏の華々しい恋愛もの、というイメージがありましたが、実はそうではなく、人の道をふみはずすと、必ず罰が下るというよ
うな、モラル・ストーリーであったのに気付きました。そして、その罰に苦しむ人々の悲しみや嘆きに同情せずにはいられず、罰そのものの意味や意義もこの作品は問うているのではと感じました。
長いストーリーの中、個人的に印象に残ったのは、光源氏と藤壺の宮(女)のエピソード、女三の宮(女)と柏木(男)のエピソード、そして、宇治十帖での、薫(男)と匂の宮(におうのみや)(男)と浮舟(うきふね)(女)の三角関係エピソードです。あと、夕霧(ゆうぎり)(男)と雲井の雁(くもいのかり)(女)のエピソードもよかったです。
宇治十帖は今回初めて読む物語だったので、とても新鮮でした。ですので、ほんの少しストーリーを紹介しましょう。時代は光源氏亡き後、光源氏の息子の薫と、光源氏の孫の匂の宮(におうのみや)が貴公子としてもてはやされている平安の世。この二人の年齢は近く、幼い頃から慣れ親しんでいたが、二人の性格は対照的で、薫は冷静で落ち着きがあり思慮深く、匂の宮は明るく積極的で情熱的。この二人に同時に愛されてしまうのが、どこか頼りない感じのする浮舟。やっかいなのが、浮舟は二人の魅力の違いをわかったうえで、同時に二人に惹かれていってしまう・・・。よくある三角関係のパターンですが、結末は伏せておきますね。
2008年11月04日
落窪物語
花村えい子の落窪物語は、中公文庫から出版されたマンガ日本の古典シリーズの第2巻です。日本の古典がマンガで読めるのは嬉しいと思い、図書館から借りてきました。随所随所に、物語の背景の説明や和歌の現代語訳などがあり、作品理解に役立ちます。以下、ストーリーです。
ヒロインは平安時代の姫、落窪の君。美しく、気立てもよく、母は皇族の出で高貴な生まれだが、母に先立たれた後、継母に疎まれ、源中納言家(みなもとのちゅうなごんけ)で、たった一人、床の落ち窪んだ部屋に住まわされ、落窪の君と呼ばれていた。いつも、女中のように縫い物をいいつけられ、古着を着せられ、頼る人が誰もいない寂しい身の上。しかし、たった一人、阿漕(あこぎ)という女官が忠実に仕えてくれていた。
阿漕は、かわいそうな身の上の落窪の君を助けてあげられないかと、夫の惟成(これなり)に相談する。すると、惟成は今をときめく貴公子の右近少将道頼(うこんのしょうしょうみちより)に落窪の君のことを話し、道頼は興味を持つ。しかし、道頼が本気かどうかわからないと阿漕は心配した。道頼は好奇心から、落窪の君へ次々に手紙を送るが、全く返事はない。ある晩、源中納言家の人々が出かけたのをみはからい、道頼は落窪の君の姿を垣間見る。顔は見ることができなかったが、道頼の気持ちは高まり、その晩、落窪の君の部屋を訪れる。
その後も、道頼は落窪の君に手紙を送るが、君の態度はつれない。けれども、道頼は本気で落窪の君を愛するようになり、君が継母から受けるひどい仕打ちも目の当たりにし、君を守ることを決意する。やがて、落窪の君も道頼に心を許し、二人は相思相愛の仲になるのだが・・・。
なんと、落窪の君の異母妹と道頼の結婚話が持ち上がってしまう。そして、落窪の君に高貴な身分の恋人がいることにかんづいた継母は、嫉妬から、ありもないおかしな噂を吹聴し、落窪の君をふしだらな娘として物置小屋に閉じ込めてしまう!はたして、落窪の君の運命はいかに?
巻頭に、落窪物語の説明があり、(引用)現存する物語としては世界最古のひとつとされる継子いじめ物語(灰かぶり物語)(引用終わり)、とあります。先日、映画ハリー・ポッター役で有名なダニエル・ラドクリフ主演のデビッド・コパーフィールド(イギリスのテレビドラマ作品)を見ましたが、継子いじめが強烈で夢でうなされそうになりました。本当に、世界中に存在する、なくなって欲しいテーマです。

ヒロインは平安時代の姫、落窪の君。美しく、気立てもよく、母は皇族の出で高貴な生まれだが、母に先立たれた後、継母に疎まれ、源中納言家(みなもとのちゅうなごんけ)で、たった一人、床の落ち窪んだ部屋に住まわされ、落窪の君と呼ばれていた。いつも、女中のように縫い物をいいつけられ、古着を着せられ、頼る人が誰もいない寂しい身の上。しかし、たった一人、阿漕(あこぎ)という女官が忠実に仕えてくれていた。
阿漕は、かわいそうな身の上の落窪の君を助けてあげられないかと、夫の惟成(これなり)に相談する。すると、惟成は今をときめく貴公子の右近少将道頼(うこんのしょうしょうみちより)に落窪の君のことを話し、道頼は興味を持つ。しかし、道頼が本気かどうかわからないと阿漕は心配した。道頼は好奇心から、落窪の君へ次々に手紙を送るが、全く返事はない。ある晩、源中納言家の人々が出かけたのをみはからい、道頼は落窪の君の姿を垣間見る。顔は見ることができなかったが、道頼の気持ちは高まり、その晩、落窪の君の部屋を訪れる。
その後も、道頼は落窪の君に手紙を送るが、君の態度はつれない。けれども、道頼は本気で落窪の君を愛するようになり、君が継母から受けるひどい仕打ちも目の当たりにし、君を守ることを決意する。やがて、落窪の君も道頼に心を許し、二人は相思相愛の仲になるのだが・・・。
なんと、落窪の君の異母妹と道頼の結婚話が持ち上がってしまう。そして、落窪の君に高貴な身分の恋人がいることにかんづいた継母は、嫉妬から、ありもないおかしな噂を吹聴し、落窪の君をふしだらな娘として物置小屋に閉じ込めてしまう!はたして、落窪の君の運命はいかに?
巻頭に、落窪物語の説明があり、(引用)現存する物語としては世界最古のひとつとされる継子いじめ物語(灰かぶり物語)(引用終わり)、とあります。先日、映画ハリー・ポッター役で有名なダニエル・ラドクリフ主演のデビッド・コパーフィールド(イギリスのテレビドラマ作品)を見ましたが、継子いじめが強烈で夢でうなされそうになりました。本当に、世界中に存在する、なくなって欲しいテーマです。
タグ:花村えい子
2008年10月28日
日出処の天子(ひいづるところのてんし)
先日、奈良の法隆寺を訪ね思い出したのが、山岸凉子の大傑作、日出処の天子(ひいづるところのてんし)です。この全11巻の長編大作の主人公は、厩戸王子(うまやどのおうじ)で後の聖徳太子です。私が法隆寺を訪れた時、丁度、法隆寺秘宝展をやっており、聖徳太子のお住まいのあったとされる斑鳩宮の瓦など、珍しいものを見ることができました。また、夢殿本尊の秘仏(聖徳太子等身と言われる)も期間限定で開扉されていて、大感動。帰宅してから、また日出処の天子を読み始めたというわけです。以下、第1巻から紹介します。
物語の重要人物の一人、蘇我毛人(そがのえみし)(14才)は、当時の政治権力者の一人、蘇我馬子(そがのうまこ)の息子。まだ政治にはあまり興味がなく、お転婆な妹の刀自古(とじこ)(12才)とは対照的に、書を読んで家にとじこもりがちだった。ある春の日、外に出かけた毛人は、まだ寒いのに、池で泳ぐ女の姿を目にする。もしかして、泳いでいるのは妹の刀自古ではないかと思い、女に近づくが、女は見知らぬ美少女だった。その少女の美しい姿は毛人の心をとらえ、きっと大王(おおきみ)につかえる女官に違いないと考えた毛人は、父について大王のいる朝廷へ行く。
朝廷の庭をふらつく毛人は、桜の木の下で、先日見かけた少女にそっくりな少年に出会う。声をかけようとする間もなく、その少年は立ち去り、毛人は、自分が後宮まで入り込んでいたことに気付く。とすると、さっき出会った少年は王子であることになる・・・。
朝廷で開かれた鎮花祭に父と出かけた毛人は、一度も会ったことのない厩戸王子(10才)を迎えにいくことになってしまう。ちゃんと連れてくることができるか不安に思いながらも、毛人は王子の部屋にたどり着き、不思議な光景を目撃してしまう。こちらに背をむけて座る王子の前の机の上に置かれた巻物が宙にうきあがると巻物の紐がとけ、巻物が開いてしまった。毛人を振り返り見る王子の表情は鬼のように険しい。恐ろしくなった毛人だったが、王子の表情はすぐに和らぎ、毛人は先日桜の木の下で出会った少年は、厩戸王子だったことを知る。なぜか、毛人は名前を名乗っていないのに、王子はすでに毛人の名前を知っていた。毛人は気味悪く思う。
ある日、厩戸王子のいる池辺(いけべ)の宮から使いが来て、毛人は呼び出される。毛人が部屋で待たされていると、池で泳ぐところを目撃した少女が毛人の前に現れた。毛人は、少女が厩戸王子なのか誰なのかわらかず混乱するが、百済からきた僧、日羅(にちら)に会いたいという少女に頼まれるまま、二人で出かける。すると・・・日羅は対面した少女を指差すと「その子は人にあらず」と言い、毛人は驚いてしまう。けれども、少女は表情ひとつ変えず、その場からすたすたと立ち去ってしまう。しかし、毛人が少女に追いつくと、少女は、日羅の命はもうつきていると言い放つ。そこで、毛人は、やはり少女は厩戸王子に違いないと確信するが・・・毛人に、自分を起こす女官の声が聞こえ、気が付くと待たされていた部屋で眠っていた。王子が出かける時、毛人はいくら起こしても起きなかったという・・・毛人には、昨夜のことが夢には思えないのだが・・・。
物語の始めから、歴史の教科書で伝えられる聖徳太子像とは大分違う厩戸王子が描かれています。歴史上の人物をここまで独創的に描いて、オリジナルの物語をつくりあげた山岸凉子はすごいなと思います。しかも、フィクションの域を超えて、本当にあった物語のように思わせる説得力があるのもこの物語の魅力でしょう。
第1と2巻の表紙(王子の顔が幼いですね)

物語の重要人物の一人、蘇我毛人(そがのえみし)(14才)は、当時の政治権力者の一人、蘇我馬子(そがのうまこ)の息子。まだ政治にはあまり興味がなく、お転婆な妹の刀自古(とじこ)(12才)とは対照的に、書を読んで家にとじこもりがちだった。ある春の日、外に出かけた毛人は、まだ寒いのに、池で泳ぐ女の姿を目にする。もしかして、泳いでいるのは妹の刀自古ではないかと思い、女に近づくが、女は見知らぬ美少女だった。その少女の美しい姿は毛人の心をとらえ、きっと大王(おおきみ)につかえる女官に違いないと考えた毛人は、父について大王のいる朝廷へ行く。
朝廷の庭をふらつく毛人は、桜の木の下で、先日見かけた少女にそっくりな少年に出会う。声をかけようとする間もなく、その少年は立ち去り、毛人は、自分が後宮まで入り込んでいたことに気付く。とすると、さっき出会った少年は王子であることになる・・・。
朝廷で開かれた鎮花祭に父と出かけた毛人は、一度も会ったことのない厩戸王子(10才)を迎えにいくことになってしまう。ちゃんと連れてくることができるか不安に思いながらも、毛人は王子の部屋にたどり着き、不思議な光景を目撃してしまう。こちらに背をむけて座る王子の前の机の上に置かれた巻物が宙にうきあがると巻物の紐がとけ、巻物が開いてしまった。毛人を振り返り見る王子の表情は鬼のように険しい。恐ろしくなった毛人だったが、王子の表情はすぐに和らぎ、毛人は先日桜の木の下で出会った少年は、厩戸王子だったことを知る。なぜか、毛人は名前を名乗っていないのに、王子はすでに毛人の名前を知っていた。毛人は気味悪く思う。
ある日、厩戸王子のいる池辺(いけべ)の宮から使いが来て、毛人は呼び出される。毛人が部屋で待たされていると、池で泳ぐところを目撃した少女が毛人の前に現れた。毛人は、少女が厩戸王子なのか誰なのかわらかず混乱するが、百済からきた僧、日羅(にちら)に会いたいという少女に頼まれるまま、二人で出かける。すると・・・日羅は対面した少女を指差すと「その子は人にあらず」と言い、毛人は驚いてしまう。けれども、少女は表情ひとつ変えず、その場からすたすたと立ち去ってしまう。しかし、毛人が少女に追いつくと、少女は、日羅の命はもうつきていると言い放つ。そこで、毛人は、やはり少女は厩戸王子に違いないと確信するが・・・毛人に、自分を起こす女官の声が聞こえ、気が付くと待たされていた部屋で眠っていた。王子が出かける時、毛人はいくら起こしても起きなかったという・・・毛人には、昨夜のことが夢には思えないのだが・・・。
物語の始めから、歴史の教科書で伝えられる聖徳太子像とは大分違う厩戸王子が描かれています。歴史上の人物をここまで独創的に描いて、オリジナルの物語をつくりあげた山岸凉子はすごいなと思います。しかも、フィクションの域を超えて、本当にあった物語のように思わせる説得力があるのもこの物語の魅力でしょう。
第1と2巻の表紙(王子の顔が幼いですね)
2008年10月14日
雪の音
久しぶりに図書館からマンガを借りてきました。美内すずえ傑作選の第
6巻虹の戦(いくさ)です。今日は、この傑作選から雪の音(月刊セブンティーンの1972年2月号掲載だそうです!)という作品を紹介します。
ヒロインは大学生のポリー。容姿が不器用であることを気にしていて、ひっこみじあん。いつもひとりぼっちでいる。ある日、ポリーは一つ年上の美人で有名なキルメニイに声をかけられる。キルメニイはポリーに折り入ってお願いしたいことがあるそう・・・。
キルメニイは、グレンジャー財閥の御曹司と20才になったら結婚する約束で、2年前からグレンジャー家の世話になっている(キルメニイの父は事業に失敗して破産している)。この冬休み、キルメニイは婚約者のバート・グレンジャーと山の別荘で過ごすことになっているが、友達とスキー旅行に行く約束をしたので、自分の代役としてポリーにバートと一緒に別荘に行ってくれないかというのである。というのも、ポリーの声が自分の声とそっくりだからという理由で。
当然、ポリーはそんなことはできないと断る。いくら声が似ていても顔が違うというのである。しかし・・・バートは昨年、交通事故にあい失明してしまっていた。いろいろと自分のことを教えるから、ふりをしてくれるだけでいい、とキルメニイはポリーを説得する。結局、ポリーはキルメニイの代役をひきうけることにしてしまった。
ポリーは代役が上手くつとまるか自信がなかったが、なんとかバートを信用させることに成功した。失明してから性格まで暗くなってしまったバートの態度は、ぶっきらぼうで冷たい。しかし、ポリーは次第にバートのかたくなな心をほぐし、いつしかバートに惹かれている自分に気付く・・・。そして、笑顔を取り戻してきたバートに改めてプロポーズをされ、ポリーは悩み苦しむ。「バートが愛しているのは自分じゃない、キルメニイだ!私のことをキルメニイだと思い込んでいるだけ」
結末はふせておきますが、ヒントを二つお教えしましょう。登場人物の関係は、三角関係ではなく四角関係です。キルメニイには隠れて他につきあっている人がいます。そして、目の手術に失敗し視力が回復していなかったと思われていたバートの目は実は・・・!?
この傑作選の表題作品、虹の戦(いくさ)は、織田信長と濃姫という、私の想像力の想定外のキャラクターについての物語でとても新鮮でした。他に、雪の日、ふりむいた風、クリスマスの奇跡という作品が収録されています。

6巻虹の戦(いくさ)です。今日は、この傑作選から雪の音(月刊セブンティーンの1972年2月号掲載だそうです!)という作品を紹介します。
ヒロインは大学生のポリー。容姿が不器用であることを気にしていて、ひっこみじあん。いつもひとりぼっちでいる。ある日、ポリーは一つ年上の美人で有名なキルメニイに声をかけられる。キルメニイはポリーに折り入ってお願いしたいことがあるそう・・・。
キルメニイは、グレンジャー財閥の御曹司と20才になったら結婚する約束で、2年前からグレンジャー家の世話になっている(キルメニイの父は事業に失敗して破産している)。この冬休み、キルメニイは婚約者のバート・グレンジャーと山の別荘で過ごすことになっているが、友達とスキー旅行に行く約束をしたので、自分の代役としてポリーにバートと一緒に別荘に行ってくれないかというのである。というのも、ポリーの声が自分の声とそっくりだからという理由で。
当然、ポリーはそんなことはできないと断る。いくら声が似ていても顔が違うというのである。しかし・・・バートは昨年、交通事故にあい失明してしまっていた。いろいろと自分のことを教えるから、ふりをしてくれるだけでいい、とキルメニイはポリーを説得する。結局、ポリーはキルメニイの代役をひきうけることにしてしまった。
ポリーは代役が上手くつとまるか自信がなかったが、なんとかバートを信用させることに成功した。失明してから性格まで暗くなってしまったバートの態度は、ぶっきらぼうで冷たい。しかし、ポリーは次第にバートのかたくなな心をほぐし、いつしかバートに惹かれている自分に気付く・・・。そして、笑顔を取り戻してきたバートに改めてプロポーズをされ、ポリーは悩み苦しむ。「バートが愛しているのは自分じゃない、キルメニイだ!私のことをキルメニイだと思い込んでいるだけ」
結末はふせておきますが、ヒントを二つお教えしましょう。登場人物の関係は、三角関係ではなく四角関係です。キルメニイには隠れて他につきあっている人がいます。そして、目の手術に失敗し視力が回復していなかったと思われていたバートの目は実は・・・!?
この傑作選の表題作品、虹の戦(いくさ)は、織田信長と濃姫という、私の想像力の想定外のキャラクターについての物語でとても新鮮でした。他に、雪の日、ふりむいた風、クリスマスの奇跡という作品が収録されています。
タグ:美内すずえ
2008年08月12日
For You(フォーユー)
この作品は、山下和美作品で私が好きなものの一つです。確か、昔、友達に借りて読んでとても気に入ったので、後日自分でも購入したんだと思います。以下、ストーリーです。
ヒロインは、美容師を目指して金沢から上京してきた里美。いつか美容師の試験に合格して自分の店を持つという夢を抱き、渋谷のやわらぎというお店で下働きをして頑張っている。そんな里美の大変な下働きの毎日も、ようやく終わる日がやってきた。新人が入るので、里美がはさみを持つことができるようになるのだ。里美は、自分の夢に一歩近づけたと大喜び。
入ってきた新人は男性で、名前は松木東吾(まつきとうご)。なんだか新人らしからぬ雰囲気を持ち、お店のことも「もっとましな店にすればよかった」と酷評。当然、里美の反感を買う。他にも、男の先輩美容師の藤巻から、東吾はその堂々とした態度に反感を買われる。しかし、新人は新人ということで、雑用を言いつけられ東吾は忙しく立ち回る。
その日、里美と東吾はたまたま帰宅する方向が同じで、一緒に帰ることになる。すると、突然、東吾はある男に追いかけられ始め、里美は東吾の逃走に巻き込まれてしまい、その晩、東吾を自分のアパートの部屋にかくまうことになる。
翌朝、一緒に出勤してきた里美と東吾の姿を目撃した藤巻は、嫉妬心から、仕事の最中に東吾と里美のことを中傷し、それを耳にした里美は気が動転してしまう。そして・・・その動揺から、里美はカットしていた女性客の髪の一部をあやまってばっさりと切ってしまうのだった!女性客は切られた髪に悲鳴をあげ(当然ですよね)、里美は呆然。店長は大慌てで客をなだめようとする。けれども、お店の中が騒然とする中、半狂乱になった客の髪を直し始めたのは、なんと新人の東吾だった。
皆が東吾の仕事振りを固唾をのんで見つめていると、女性客の髪型は斬新に美しく出来上がる。実は、東吾は新人ではなかった。里美はまた自分は一からやり直しだと落ち込むのだった・・・。
その後、東吾は超有名ヘア・デザイナーのチーム・リーダーだったことが判明し、里美はショックを受けます。そして、里美は東吾にいつも自分はばかにされていたような気がして、ますます落ち込むのです。けれども、東吾のほうはそんな風に思っていなかったよう。いつも自信満々な東吾にも手に入れることができないものもあるようです。決して、相性が良いとは言えない里美と東吾ですが、微妙なものは存在しているよう。最後のシーンで、東吾が里美の髪をカットするのですが、それがまさしく変身でかっこいいです。
他に、あなたのいる風景という短編が収録されています。こちらも秀作です。

ヒロインは、美容師を目指して金沢から上京してきた里美。いつか美容師の試験に合格して自分の店を持つという夢を抱き、渋谷のやわらぎというお店で下働きをして頑張っている。そんな里美の大変な下働きの毎日も、ようやく終わる日がやってきた。新人が入るので、里美がはさみを持つことができるようになるのだ。里美は、自分の夢に一歩近づけたと大喜び。
入ってきた新人は男性で、名前は松木東吾(まつきとうご)。なんだか新人らしからぬ雰囲気を持ち、お店のことも「もっとましな店にすればよかった」と酷評。当然、里美の反感を買う。他にも、男の先輩美容師の藤巻から、東吾はその堂々とした態度に反感を買われる。しかし、新人は新人ということで、雑用を言いつけられ東吾は忙しく立ち回る。
その日、里美と東吾はたまたま帰宅する方向が同じで、一緒に帰ることになる。すると、突然、東吾はある男に追いかけられ始め、里美は東吾の逃走に巻き込まれてしまい、その晩、東吾を自分のアパートの部屋にかくまうことになる。
翌朝、一緒に出勤してきた里美と東吾の姿を目撃した藤巻は、嫉妬心から、仕事の最中に東吾と里美のことを中傷し、それを耳にした里美は気が動転してしまう。そして・・・その動揺から、里美はカットしていた女性客の髪の一部をあやまってばっさりと切ってしまうのだった!女性客は切られた髪に悲鳴をあげ(当然ですよね)、里美は呆然。店長は大慌てで客をなだめようとする。けれども、お店の中が騒然とする中、半狂乱になった客の髪を直し始めたのは、なんと新人の東吾だった。
皆が東吾の仕事振りを固唾をのんで見つめていると、女性客の髪型は斬新に美しく出来上がる。実は、東吾は新人ではなかった。里美はまた自分は一からやり直しだと落ち込むのだった・・・。
その後、東吾は超有名ヘア・デザイナーのチーム・リーダーだったことが判明し、里美はショックを受けます。そして、里美は東吾にいつも自分はばかにされていたような気がして、ますます落ち込むのです。けれども、東吾のほうはそんな風に思っていなかったよう。いつも自信満々な東吾にも手に入れることができないものもあるようです。決して、相性が良いとは言えない里美と東吾ですが、微妙なものは存在しているよう。最後のシーンで、東吾が里美の髪をカットするのですが、それがまさしく変身でかっこいいです。
他に、あなたのいる風景という短編が収録されています。こちらも秀作です。
タグ:山下和美
2008年07月21日
ベルばらKids 3
以前、このブログでとりあげた、池田理代子のベルばらKidsの最新号、第3巻が発売になりました。早速入手したので紹介します。
まず、ごく簡単に物語の概要を。池田理代子の名作、ベルサイユのばらの登場人物が3頭身となり4コママンガでギャグをとばす、朝日新聞の土曜版で連載中のマンガです。
今回、個人的に私が気に入ったのは、新しい大統領というタイトルのルイ16世のエピソードです。新しいフランス大統領がサルコジ氏に決まり、ルイ16世はがっかりする。なぜかというと、サルコジ氏は相撲が嫌いで、相撲好きで力士になるのを密かに夢見ているルイ16世とは趣味が合わない・・・、というわけです(前フランス大統領のシラク氏は大の相撲ファンでしたね)。
(以前、上記の文中、ルイ16世のことをルイ14世と間違えて記述していました。ごめんなさい。)
もちろん、他のキャラクターも健在です。オスカルはタカラヅカ入学を検討。アンドレはオスカルにワインとお酢を間違えて飲ませてしまう。アントワネットはハワイアン・ダンスを覚え、宮廷でハワイアン舞踏会が催される。ジェローデルはペットのネコちゃんのために、自宅を和室にリフォームしこたつを置く。オスカルの姪のル・ルーはハンカチ王子のお嫁さんになるのを夢見る。と、楽しいエピソードがいっぱいです。

まず、ごく簡単に物語の概要を。池田理代子の名作、ベルサイユのばらの登場人物が3頭身となり4コママンガでギャグをとばす、朝日新聞の土曜版で連載中のマンガです。
今回、個人的に私が気に入ったのは、新しい大統領というタイトルのルイ16世のエピソードです。新しいフランス大統領がサルコジ氏に決まり、ルイ16世はがっかりする。なぜかというと、サルコジ氏は相撲が嫌いで、相撲好きで力士になるのを密かに夢見ているルイ16世とは趣味が合わない・・・、というわけです(前フランス大統領のシラク氏は大の相撲ファンでしたね)。
(以前、上記の文中、ルイ16世のことをルイ14世と間違えて記述していました。ごめんなさい。)
もちろん、他のキャラクターも健在です。オスカルはタカラヅカ入学を検討。アンドレはオスカルにワインとお酢を間違えて飲ませてしまう。アントワネットはハワイアン・ダンスを覚え、宮廷でハワイアン舞踏会が催される。ジェローデルはペットのネコちゃんのために、自宅を和室にリフォームしこたつを置く。オスカルの姪のル・ルーはハンカチ王子のお嫁さんになるのを夢見る。と、楽しいエピソードがいっぱいです。
2008年07月04日
わたしは夢みる少女
いくえみ綾のこの作品は、いくえみ綾作品中、私が一番気に入っているものです。ちょっとぼーっとしてさめた感じの女子高生が主人公で、絵もかわいくて好きな作品です。以下、簡単にストーリーを紹介しましょう。
ヒロインは高校3年生の幸子。作品冒頭で、雪の中を一人彷徨っていて、「こんなところで死ぬわけにはいかない」と思いつつも気を失ってしまう。そして、場面は変わり、とある田舎の中学校に。そこで登場するのは、掃除をさぼって帰宅する中学2年生の男の子、しげる。しげるが帰宅し自分の部屋に入ると、女の人が寝ていた!しげるはびっくりして、部屋を飛び出して行く。しげるの母は、家の裏手で倒れていた女の人を見つけたので、しげるの部屋にとりあえず寝かせたと説明する。それが、幸子だった。
幸子は、しげるの家でとても親切にされ一晩を過ごす。しげるの家族はそれとなく、こんなところで幸子は何をしていたのかときくが、幸子は上手くはぐらかす。それでも、多分、気付かれていたであろう。幸子が傷心旅行をしていたのは・・・。
東京に戻った幸子を、波多野先生が駅に迎えにきた。波多野先生は幸子の高校の現国の先生で、幸子の恋人だった。でも・・・波多野先生には妻子がいた。学校で友達がいない幸子は、妻子がいることを知らずに波多野先生のことを好きになってしまった。偶然、事実を知った幸子は、一人傷心旅行に出たのだった。結局、波多野先生は学校を辞め、幸子は高校を留年する。
春になり、東京に修学旅行に来ていたしげると、幸子は偶然再会する。しげるは、幸子に会って以来、幸子のことを忘れられずにいた。幸子に再会したしげるは、正直に自分の気持ちを話し、東京の高校への進学を考えようと思うと幸子に話す。けれども、幸子はしげるの気持ちに100%こたえることはできない。波多野先生のことを忘れられずにいたのだった・・・。
この後、しげるは東京の高校に進学しますが、波多野先生という超えられない存在に嫉妬したり苦しんだりします。幸子のほうも、しげるは自分なんかにもったいないと思ったりするのです。
3−Dのクリスマスカードという短編が2巻に収録されています。

ヒロインは高校3年生の幸子。作品冒頭で、雪の中を一人彷徨っていて、「こんなところで死ぬわけにはいかない」と思いつつも気を失ってしまう。そして、場面は変わり、とある田舎の中学校に。そこで登場するのは、掃除をさぼって帰宅する中学2年生の男の子、しげる。しげるが帰宅し自分の部屋に入ると、女の人が寝ていた!しげるはびっくりして、部屋を飛び出して行く。しげるの母は、家の裏手で倒れていた女の人を見つけたので、しげるの部屋にとりあえず寝かせたと説明する。それが、幸子だった。
幸子は、しげるの家でとても親切にされ一晩を過ごす。しげるの家族はそれとなく、こんなところで幸子は何をしていたのかときくが、幸子は上手くはぐらかす。それでも、多分、気付かれていたであろう。幸子が傷心旅行をしていたのは・・・。
東京に戻った幸子を、波多野先生が駅に迎えにきた。波多野先生は幸子の高校の現国の先生で、幸子の恋人だった。でも・・・波多野先生には妻子がいた。学校で友達がいない幸子は、妻子がいることを知らずに波多野先生のことを好きになってしまった。偶然、事実を知った幸子は、一人傷心旅行に出たのだった。結局、波多野先生は学校を辞め、幸子は高校を留年する。
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